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「おそ松さん」の六つ子が医療従事者だったらというn番煎じ妄想-目次

現在このブログはアニメ「おそ松さん」の六つ子が医療従事者だったら・・・といううp主の妄想劇場に席巻されております。

記事数が多くなってきたので目次を作ってみますた。基本設定や過去の小話検索にどうぞ。っていうか自分が検索する用。




♪♪テンプレ注意事項♪♪

・うp主はおそ松さんアニメはほとんど見てない、支部やニコ動での二次創作で見たキャラづけに最も影響されている
・兄松が外科医、弟松はコメディカル。6人には年齢差があり、実の兄弟ではなく、たまたま職場で一緒になった苗字松野たち
・BL要素はない、おそ松兄さんのセクハラ程度の微エロ表現はでるかもしれない
・六つ子の趣味や学生時代等々で捏造多数
・現実の日本の医療現場に酷似している状況その他が出てくるように思うかもしれないが、現実のものとは違います。あくまで別の世界線での出来事としてお含みおきください。
・医療現場用語が説明なしで飛び交ってます。用語解説集は気が向いたら(気が向くとは言っていない
・どんなものでもおkな方だけお読みください


♪設定の舞台♪

庄乃県聖澤市
赤塚総合病院
外科病棟
(詳しくは→小話(4)の・赤塚総合病院の組織と周囲の医療圏について、へ)


♪六つ子の基本設定♪

おそ松: 外科部長
(追記にアニメおそ松さんの簡単(ではない)解説)
カラ松: 小児外科医
チョロ松: 外科レジデント
(追記にアニメおそ松さんにおける六つ子のキャラクターと各時代の日本の若者のキャラクターの相関について)
一松: 病棟師長
十四松: 理学療法士
トド松: 病棟薬剤師
(追記にこの設定内における六つ子の年齢と身長について)


♪小話♪
※基本一話完結ですが、時系列順になっているところもあります。また伏線のような何かを微妙にちょいちょい張ってたりもしますが、それもうp順に読まれることを想定しています。

小話(1)
・どの松野先生でしょうか  出演:おそ松 +チョロ松
(追記) ・兄松先生いろいろ比較
小話(2)
・そういう時に限って急変は起こる  出演:カラ松 +おそ松、一松
(追記) ・赤塚病院で流行りのトリオ松名
小話(3)
・チョロ松先生の包交回診  出演:チョロ松
・六つ子のピッチ(PHS)と職員IDの扱い
(追記) ・兄松先生いろいろ比較、その2
小話(4)
・赤塚病院の面々、合コンへ行く  出演:トド松 +兄松
・赤塚総合病院の組織と周囲の医療圏について
(追記) ・みんな松野なので呼び分けがされるようになった経緯
小話(5)
・カラ松先生の黒歴史  出演:チョロ松 +おそ松
・六つ子の住まい
(追記) ・オペ中もブレないおそ松先生  出演:速度松
小話(6)
・学生生活の思い出話  出演:サイバー松 +色松
・実は高学歴のカラ松先生  出演:一松
(追記) ・兄松先生いろいろ比較、その3
小話(7)
・カラ松事変外科病棟版  出演:全松
・職員検診で採血される六つ子
小話(8)
・小児科医向きの性格とは何か  出演:数字松
・詐欺師は詐欺師を出し抜ける  出演:おそ松
(追記) ・六つ子の好きなゲーム
小話(9)
・十四松は誰に取っても天使、異論は(ry  出演:十四松 +オリキャラ
・(後日談)寅松さんがアンギオで止血されてた時の裏話  出演:兄松  
小話(10)
・がんで死ぬメリット  出演:年中松
・王女は王女でも  出演:カラ松 +トド松
(追記) ・(後日談)カラ松、俺はやりたいぞ  出演:長兄松
小話(11)
・雪の降る大晦日の晩に  出演:速度松 +十四松、トド松
(追記) ・六つ子の名刺
小話(12)
・雪の降る大晦日の晩に、後日談1  出演:速度松
・雪の降る大晦日の晩に、後日談2  出演:材木松
小話(13)
・不思議なおでん屋さん  出演:全松 +チビ太
・六つ子の履歴書
小話(14)
・配合禁忌  出演:サイバー松
・カラ松先生の岡目八目  出演:長兄松
(追記) ・不謹慎松  出演:速度松
小話(15)
・一寸先は闇  出演:兄松
・カラ松先生の岡目八目2  出演:水陸松
小話(16)
・一松事変外科病棟版  出演:一松 +カラ松
小話(17)
・続/一松事変外科病棟版  出演:全松
(追記) ・赤塚病院で流行りのトリオ松名(2)
小話(18)
・おそ松兄さん・・・?  出演:兄松
・トド松、一松と腹を割って話をする  出演:110松
(追記) ・チョロ松、考察する  出演:チョロ松 +カラ松
小話(19)
・お前は分かっているはずだ、おそ松  出演:おそ松
・magician's operation  出演:全松 +チビ太
(追記) ・大団円後のおまけ  出演:全松

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「おそ松さん」の六つ子が医療従事者だったらというn番煎じ妄想-小話(19)

こんばんゎ。ようやく昼夜問わず咳と痰が出続ける、っていういつもの風邪のパターンになってきました。まぁこれがだいたい1か月くらい続くんだけどね・・・wwwマーライオンよりはなんぼかマシです。


さて、これまでお送りしてきた「おそ松さん」の六つ子が医療従事者だったら妄想ですが、小話シリーズも本日でひとまず大団円です。長らくお読みいただいた方、もし万々が一でもいらっしゃいましたらお疲れ様でございました。そうでない方、この下らないシリーズももうすぐ終わります。

ここ最近うpした小話は全体的に続き物になっています。(小話161718)
また本日の小話は小話9で起こった出来事を前提にしている部分があります。

テンプレ注意事項と今までうpした小話は→目次へ


何でも許せる方は以下お読みください↓





・お前は分かっているはずだ、おそ松

 「おやおそ松さん。どうしました?」
 「どうしたもクソもあるか!おいクソ調停者!早く平行世界とか言うのをマトモに戻せよ!今俺のいる、『この』世界一個ありゃ十分だろーが!順当にオペをやらせろ!外科医にファンタジーとか無駄な事をさせるな!俺の病棟を返せよ!」
 「・・・おそ松さん。」
 「何だよ!」
 「・・・貴方には分かっている筈ですよ。」
 「はぁ!?何も分かんねーよ!」
 「・・・無数に存在する平行世界。そこに必ず出現する6人プラス一人。そして世界の崩壊を目論むワタクシ達調停者・・・それらは、全て貴方自身の願望から出たものです。」
 「は・・・?」
 「『最初の世界』ではあなた方は六つ子だった。でもフグ毒であなた以外の兄弟はみんな死んでしまった。貴方は6人がずっと揃い続ける世界を模索して、・・・それでいていつか5人を失うかもしれない世界そのものを壊したくて仕方なかった。その矛盾の結果が、・・・今のこの世界の有り様です。私が『主様』と呼んでいるのは、・・・貴方の事ですよ。」
 おそ松は何も答えられない。
 「『医者』としてやり直すのはこれで『何番煎じ』ですか?よほど最初に病気で亡くなった兄弟を治しかったのでしょうね。貴方だけは、他の5人と違って、貴方のあり方、記憶を調節しているのは貴方自身だ。たとえ無意識であるにせよ。」
 調停者が、一瞬哀れむような視線を寄越した。

 ・・・そうだ

 ・・・俺が俺自身にそう思わせた

 ・・・お兄ちゃんは

 ・・・寂しかった

 ・・・みんなが居なくなって

 ・・・いつまでも

 ・・・ずっと一緒にいられるんだとばかり

 ・・・思ってたのに

 ・・・みんなが居なくなった後も

 ・・・独りでずっと生きてきた

 ・・・無駄に長生きだった

 ・・・両親も居なくなっても

 ・・・ずっと

 ・・・狂いそうだった

 ・・・それで

 ・・・実際

 ・・・狂ったんだ

 調停者がもう一度哀れむ目を向けた。慈愛の目と言っても良かったかもしれない。ちょっとだけため息も付いていた。
 「寂しさのあまりこんな複雑な世界を構築できる能力があるなら、実際もっと自分の望みに忠実な世界を一個だけ創る事も貴方には出来るでしょうに。」//


犯人はおそ松兄さん!(ネタバレ



・magician's operation

 「一松兄さん、麻薬売る人って○クザに関係あるんっすよね?」
 「・・・唐突だね。ま、でも概ね十四松の言う通りだよ。でもどうしてそんな事聞くの?」
 「あのね、一松兄さんに電話してきた人、寅松さんに聞いたら何処にいるどんな奴らか、背後は誰かとか、牽制する方法とか、分かるんじゃ無いかと思って。」
 「・・・ほんとは極道にあんまり借りを作らない方が良いんだけど。聞いた感じだと、寅松さんの方が先に十四松に借りがありそうだね。じゃあ遠慮なく返してもらうか。」
 「うんうん、これで解決っすか!?」
 「うまくいけばね。・・・ところで十四松先生、なんで僕を『兄さん』と?」
 「アレ・・・?そう言えば何でだろう?一松師長は、一松師長なのに。」
 「僕らは兄弟じゃ無いですよ。でも、ある意味兄弟より強力な外科病棟のチームだ。」
 「だ、ね。」チョロ松の背後からトド松が顔を覗かせる。
 「運命に導かれしこの6人の松が揃えば成せぬ事はないn・・・」
 「素晴らしい大団円場面なんだからクソ松は黙って。」
 「・・・どうしてチラー○ンに人間を丸くする作用は無いんだろうな・・・(涙」
 「どっちかというと活動的にして尖らせる方の作用じゃない・・・?」
 「毒舌が早口になった分却って単位時間あたりの毒の量は倍加したとも言うな・・・」
 「クソ松先生は早タヒ希望?」
 「いや違います!長生きしたいです!だから一松師長、その拳をおさめて!!」
 相変わらずの調子でギャイギャイいう『弟たち』を見て、おそ松は笑う。
 そう、彼が自覚的に意識すれば、事は簡単だった。世界線は収束し、調停者は役目を終えて消えた。世界は赤塚病院外科のある『この世界』だけになり、六つ子は六つ子だった記憶がもう薄れていっている。俺たちが呑んだくれてるのを見守るチビ太だって、赤塚病院の前でおでん屋チビ太を開いている店主の記憶だけになっている。スッキリしたじゃ無いか。もうファンタジーはおさらばで、俺はタヒぬまでこの世界で好きなだけオペやって、生きていく。『弟たち』は・・・あ、いや、『部下たち』だな、にはタヒぬまで付き合ってもらう。大体だ、一番都合の良いのは、この世界線じゃ俺が一番年食ってるって事だ、一番先にタヒねるじゃん!長生きしたらどうするって?だーいじょうぶ、俺全然節制してねーもん、Brinkman indexは軽く1000超えてるよ、肺がん絶対なるよ、なったらチョロに看取ってもらおーっと。
 世界を揺るがせた割に相変わらず反省の無い適当男だった。ブレない男、その名はおそ松。
 因みにこの後一松の昔馴染みさんは、寅松さん所属の指定団体のシマを荒らしていたのがバレ、プロの方々に十分に〆て頂いたようです。一松も職場を追われる事なく、過去も5人の松以外にバレる事も無くTSHも正常化していつも通りの赤塚病院外科病棟に戻りました。
 
 おそ松は思う。人生、願えば案外思い通りの世界になるもんだ。
 どうせだからオペも手を動かさずに、思い描いたらその通りにぽこっと腫瘍だけ取れてきたりしないかなー。それだと楽なんだけどなー。魔法使いの手術みたいに。・・・いや、さすがにそれだと外科医はおまんまの食い上げか。
 「チビ太ー!もう一杯ビール!」
 「おいおそ松先生!屋号はチビ太だが俺自身の名前はチビ太じゃねーぞ!」
 「いーじゃん名は体を表すって事で!いーからビールちょうだいビール!」
 「誰がチビだ!・・・全く、こんなんが外科部長で赤塚病院は大丈夫なのかねぇ・・・」
 そんなこんなで聖澤市の夜は更けていくのでした。

 めでたしめでたし。//



最後の小話の題名、magician's operationは有名ボカロ曲の題名から取っております。アレ聞けば聞くほど医者のテーマだよね。


さて、これにて一件落着です。風呂敷あっさり畳みですみません。もしかすると何か思いついたらまた別の小話をうpするかもしれませんが、最初の勢いで書き連ねてあった分はこれで全部放出しました。あと暇を見て全体的に推敲を入れるかもしれません。
ともかく、しばらくお付き合いいただいてありがとうございました。
ではでは、またどこかで。


追記に大団円後の超小話あります。


続きを読む »

「おそ松さん」の六つ子が医療従事者だったらというn番煎じ妄想-小話(18)

今日は絶賛こってりした鼻水と痰とのどの痛みと咳です。もう発症から1週間ですからね、さすがに抗生剤を入れた方がいいか考えるレベル。
鼻水が諸悪の根源なんじゃね?と思って抗ヒ剤的なものを内服しましたら、水気だけが抜けて鼻水がなお一層こってりして、詰まりやすくなっただけでしたwww同じ抗アレルギー剤でも、鼻づまりに強いと謳っているオ○ンとかの方がいいかもしれませんね。ぬーよーくじゃ手に入んないけど。www



さてさて、そんな体調不良な中でも「おそ松さん」六つ子が医療従事者だったら妄想は止まりません。もっとも、小話自体を書いたのはだいぶ前で、今やってるのはちょこちょこ修正を入れてうpしてるだけだしね。
本日は2本立てで、ファンタジー展開の起承転結の承っぽいとこの短編と、犯罪松と被害者松の対話です。2本目はストーリー展開上ガチ重めで、かつ実際に犯罪被害にあった人等に言わせればぬるいことこの上ないご都合主義的解決方向だな、と失笑される感じかと思いますが、今日こそ『これは実際の日本でもアニメ『おそ松さん』でもなくて全く異なる別な世界線の話』というのをもう一度十分お含みおきの上お読みくださいませ。


いつものテンプレ注意事項とこれまでうpした小話は→目次へ


真実に何でもおkな方は以下どうぞ↓





・おそ松兄さん・・・?

 一松師長とトド松の間に微妙な亀裂が入って、松たちの間がギクシャクして以来、外科病棟全体がつられるようにおかしな雰囲気になった。いつもの調子でカッコつけず真顔続きのカラ松に、不安を敏感に察知した子供達はみんなおとなしくなり、浮かない顔で物思いに囚われてるチョロ松同様ナースたちも困惑が強い。いつも病棟を〆ていた一松が心身ともに本調子で無いから余計だ。ムードメーカー十四松もなりを潜め、トド松はしばらく休暇を取った方がいいのでは無いかというほど憔悴しきった顔で仕事だけはこなしている。6人の松は数十人いる外科病棟スタッフの中ではほんの一部の筈なのに、全体の雰囲気を決めるほど影響力があるのもまた不思議な話であった。
 平行世界とやらについては、以前ちろっと口を滑らせた赤塚病院門前おでん屋、チビ太の店主を締め上げて知っている事を全部吐かせた。彼曰く、この世は無数の平行世界に分岐していて、調停者がかき回して、6人の松の絆で辛くも世界を保つ。すべての世界線でそうなっているらしい。調停者の言っている事は狂言でもなんでもなかったのである。
 チビ太は世界線を超えて記憶を共有するが、6人はその限りではないことも知った。実際にこの世界線では兄弟ではないのに、六つ子だった最初の世界線の記憶が混ざり始めている。この世界線では十四松以上の何かイレギュラーが起こっているのだ。
 「くそったれが!あの悪魔だか調停者だか何だか知らねぇが!平行世界?世界をぶっ壊す?俺はそんなんどーでも良いっつうの!でも俺が手術して、ビョーキ治す、この俺が仕切ってる赤塚の病棟に土足で踏み入られんのだけは我慢なんねぇ!俺の『庭』をメチャメチャにしやがって・・・!」
 おそ松部長が、通る声を張り上げ外科医局のテーブルを拳でダンと叩いたので、周りの研修医が怯えた目で遠巻きにしていた。
 「だからファンタジーは嫌いだっつってんだろ!『これで何度目だ!?』」
 「何度・・・目?おそ松兄さん、何を言ってるの・・・?」
 「俺は一度目だと思うが?」
 「話がややこしくなるからクソ松兄さんは黙ってて!」
 「・・・どうでも良いが、お前ら最近ナチュラルに俺のことをクソ松って呼ぶよな・・・。以前までは一松だけくらいだった気がするのだが・・・」
 「はいはい分かりましたから。それにしても・・・おそ松兄さんは、チビ太さんみたいに平行世界の記憶があるの・・・?・・・それ、どうして今まで黙って・・・」
 「・・・ん?アレ?おにーちゃん今何か変なこと言ったか?」
 「・・・んー、と・・・」
 「前にもこんな会話なかったか・・・?」//







・トド松、一松と腹を割って話をする

 トド松が一松の病室を訪ねてきた。
 「・・・一松兄さん、今週分のチ○ーヂン持ってきたよ。」
 「・・・ありがとう、・・・トド松・・・」
 「・・・兄さん、体調が悪くなかったら、少しお話ししても良い?」
 「・・・いいよ。」
 一松がベッドサイドに置かれた見舞客用のパイプ椅子を示した。トド松も遠慮なく椅子を起こして腰かけた。どうも長丁場になるらしい。
 「・・・何から話したらいいのかな・・・。あのね、僕の家族が麻薬で壊れたってのは、言ってみればすごく簡単なこと。僕のお母さんの浮気相手がそういうの使う人だった。そんな人に惹かれるお母さんが一番悪かったんだけど、お父さんも家庭を顧みる人じゃなかったから、間接的に共犯だね・・・。僕はお母さんが麻薬で変わっていく姿を見てた。ちょうど高校生の年齢だったけど、高校とか行ってられないほど家は荒れた。お父さんはお母さんの麻薬使用が調停でバレないうちにサッサと浮気事由だけで離婚成立させて親権放棄で出てっちゃうし・・・。それなのに、僕が大人になって薬剤師になったのは、生活のためってのももちろんあるけど、どこかで『薬物で人間の状態、時には人生そのものすらもコントロールできる』ってことに興味を持っちゃったからじゃないかと思うんだ・・・。ははっ、とんだドライモンスターでしょ。こんな話、今調子の悪い一松兄さんに聞かせるべきじゃないのかもだけど、逆に一松兄さんぐらいにしか聞かせられないし、それに僕の想いを正確に理解してくれるのも一松兄さんだけなんじゃないかなって思うんだ・・・。・・・こんなこと聞かせて、僕は麻薬を作った人に復讐してるつもりなのかな・・・。」
 「・・・順番に答えるけど、まず『薬物で人間の状態をコントロールできる事への興味』っていうのは僕は間違いなく理解できる。僕は大学院で有機化合物の生体内動態を変化させたりBBBを通しやすくしたりするための官能基を付与する合成反応を研究してた。でも院生時代は食い詰めてて、そんな知識だけある貧乏人に、あいつらはビックリするような額をポンと積むんだ。後から考えれば、億単位の売り上げがあるんだから、院生の奨学金の数百万なんて端金なんだけどね。ともかく、そうして堕ちるのは簡単だった。ドラッグデザイナーってヤツだよね。科学ってさ、科学自体はいいものにもわるいものにも極めてニュートラルなんだ。患者の病巣に届く副作用の少ない薬を作る工夫も、ジャンキーに喜ばれる即効性があってよりブッとぶドラッグを作る工夫も、やってる合成反応や官能基の取捨選択の工夫って意味では全く一緒なんだよ。より売れ筋のドラッグができたら、より売れ筋の医薬品が作れたのと同じように嬉しくて誇らしいんだ。科学者って怖いよね。」
 トド松は重い調子で頷いている。
 「でもそのうち元締めがパクられて、連座で御用。僕は元締めに大学院の学費を借りてたりして殆ど強制されてやってたようなもんだから執行猶予になったけど、・・・でもこれって言い訳だよね。わるいことだって、知らなかったわけじゃないんだからさ。
 二つ目、僕が言うのもなんだけど、化合物で人間の生理学的な状態をコントロールできることに興味を持つのは人の自然な好奇心の作用だと思うよ。生命科学をチョイとかじれば、生物というのはただの特殊な化合物の塊に過ぎず、生命現象は複雑なだけの化学反応の繰り返しに過ぎないってすぐ分かるんだから。トド松がドライモンスターだと言うなら、人間はドライモンスターな部分があるってところをトド松はちゃんと自覚してるっていう、それだけだと思う。
 三つ目、この話が復讐になってるかだけど・・・復讐してくれていいんだ。僕はたぶんずっと苦しかった。責めて欲しかった。逮捕されてから、ポスドクを続けられなくて居住地を変えて、保護司に何か別の職業訓練をするように言われて看護師を選んだ。でも多分贖罪のために選んだ職業だよ、これは。人を害する側にいた人間が、反省、更生のためだからって言い訳だけで人を助ける側に居ていいのかなってずっと思ってる。ほんとは贖罪のためなんて曲がった理由でついちゃいけない神聖な職業なのに。」
 「一松兄さん・・・。でも僕は、それでも一松兄さんを責め切れないんだ!だって僕はもう子供じゃない。ドラッグは買う人間もわるいんだって分かってるし、それに・・・一松師長として、僕はいっぱい可愛がってもらった。一松兄さんは口は悪くて見た目は暗いかもだけど、行動のすべては精一杯心を砕いて病棟を支える目的から来てるって知ってる。それに今思えば、一松兄さんが人生や社会の暗い面を見たことがあるからこそ、重いバックグラウンドを持った患者さんにも寄り添えた部分があるんだろうって分かる。そういう人には、一松師長の過去も救いの助けに確かになってたのかもしれないんだ。僕はそれなりに人生苦労してきたと思ってたけど、まだまだ患者との関係でそれを生かすまでには至ってないもの。そういう僕が見てきた一松兄さんはどれも嘘じゃないって僕は信じてる。ここ数日ずっと考えてたけど、僕には結局一松兄さんとこれまで病棟で過ごしてきたことが嘘だとは棄却できなかった・・・。大体さ、医薬品だってみんな毒じゃん。病気を治すって目的があるから人体に投与するのが許されてるけど、調剤室なんて劇物毒物のドクロマークのオンパレードだよ・・・だったら一松兄さんが薬を毒として使う側から治療として使う側へ転身したって構わないってことじゃない・・・。
 ねぇ、もし一松兄さんが許しを求めてるなら・・・、僕は許したい。僕がそれをやる立場には本当はないとは思うけど・・・このところずっと考えたけど、一番いいと思う結論は結局それなんだ。兄さんが僕に言ってくれた今の話を聞いて余計そう思った。」
 「トド松・・・!ありがとう。・・・ありがとう・・・。僕はきっとずっと許されたかったんだ。クズだから、ダメなヤツだから一生許されるはずはないって思ってたけど、それは誰よりも許しを求めてることのただの反動だ・・・。加害者になると分かる。贖罪をして罪を完結させるのは加害者がするべき事と言われるけど、罪の解決って加害者には原則的にできるはずのないものなんだ。だって許して罪を終わらせることのできる権利は本当は被害者しか持ってないんだよ・・・!」
 一松の人一倍閾値の高い涙腺は決壊寸前だった。元より閾値の低いトド松は言うに及ばずである。
 「許すよ、一松兄さん、僕でよければ許すよ、僕は家族や過去の自分のための復讐より、今の僕が好きでありたい人の方を優先する。だって僕はドライモンスターだから、だから僕が楽になるためだけに僕は許すよ!」
 「・・・うっ、ぐすっ」
 「一松兄さん、ねぇギュってしていい?それで、思いっきり泣いていい?」
 「・・・いいよ。病棟中に聞こえるように泣いてやろうよ。『涙で悲しみを洗い流す』なんていうとクソ松の台詞みたいで癪にさわるけど、今日はそうしよう。」
 その後41○号室からしばらく成人男性二人分の号哭が聞こえていたが、幸いにして病院というのはそういう人間の深いところの感情の発露を経験する事にある意味慣れてて、見守りはすれど、仮に泣き声でもそれが回復過程に必要なものと見做されるなら親切にスルーしてくれる環境にあった。
 なにせそれで命が助かるなら『毒物』や『傷害』を『治療』と称するのが医療の本質なのだから。でなければ、『医療行為』にわざわざ『免許』が必要になるはずがないのだ。//




・・・いやー、小話2本目ですがもう一度うpのために読み終えてみて、更に注意喚起した方がいいかなと思いました。

・すべての科学者は科学の用い方の善悪を弁えていないようなマッドサイエンティストではありますん
・すべての薬剤師は薬物で人間をコントロールしてやろうへっへっへと考えているようなマッドファーマシストではありますん

まぁみなさんお分かりかと思いますけどねwww



さて、そろそろ本日の妄想も終えようと思います。今日は追記もあります。1回の記事がほんと長いブログですみません。
この妄想小話シリーズもあと1回ほどのうpで終わると思います。お付き合い頂いてる方もしいらっしゃるとすればこれまでありがとうございました。


続きを読む »

「おそ松さん」の六つ子が医療従事者だったらというn番煎じ妄想-小話(17)

みなさまお久しぶりです。小話の方は結構気になるだろう所でぶった切り状態で申し訳なかったです。あれから、小学生以来かという中耳炎を発症し、さらに嘔吐下痢にもなりましたwww今日は一周周ってまた咽頭痛へ戻って参りました。これループしてる・・・?風邪無限ループって怖くね?wwww
アメリカで体が弱くなったのか、一人暮らしで体調管理がなってないのか、はたまた年を取ったせいなのか。3番目の理由は断固拒否したいところであります。


さてさて、本日の「おそ松さん」六つ子が医療従事者だったら妄想の小話は、前回の続きで一松事変外科病棟版の後編です。徐々にクライマックスへ向かって盛り上がってくるらへんです。実際筆者の力量的に盛り上がってるかどうかは別として。

テンプレ注意事項と今まで上げた小話は→目次へ

基本何でも許せる方向けではありますが、今回のうpにおける更なる注意点として、
・ガチ犯罪松
・生い立ち不幸松の具体的な不幸が分かる
・唐突なファンタジー

の3点を含むことに更にご配慮下さい。




・続/一松事変外科病棟版

 目の前で病棟師長に倒れられたカラ松先生の方はちょっとしたパニックだった。確かに一松師長は細っこい体でろくそっぽ食べてなさそうなのに、根を詰めて働いているから常に慢性的な体調不良といった雰囲気だ。それでも実際にはしぶとい性質のようで、本気で倒れるような不安定さとは無縁に見えた。むしろインフルや嘔吐下痢で毎年倒れる他ナースより欠勤は少なかったはずだから、そんな一松師長が倒れるのは意外の何者でもなかった。
 患者の急変は冷静に対処できるが、同僚の急変は別物だ。
 「一松師長!・・・おい、一松!」
 肩を揺さぶって、頸動脈を取ったときに気づいた。痩せた肩、それはいいのだが、首の前側だけが妙に痩せてない。筋張った胸鎖乳突筋に対して喉仏が見えてない。それに、びっくりするほど徐脈。一瞬迷走神経反射でぶっ倒れたのかとも思ったが、汗はかいておらずむしろ肌はカラカラである。
 ん・・・?これって・・・?クレチン症?
 ・・・カラ松はあくまで小児科発想だった。

---

 『一松、これを飲んで。』
 『こ・・・れは・・・?』
 『チ○ーヂンだよ。一松は甲状腺機能低下症だったんだよ。』
 『そ・・・う・・・ありがと・・・チョロ松・・・兄さん・・・」
 「え?何言ってるんですか?僕より一松師長の方が年上でしょう。」
 「は・・・?あれ・・・?」
 「まだちょっと意識が混濁してますか。ここは外科病棟の41○号室です。一松師長、師長室前の廊下で倒れたんですよ。」
 41○って、結構値段のする個室じゃないか。確かに病棟で今空いてるのはそこだけだったけど。
 「おっ気づいたか一松師長?」部屋に別の顔が覗き込んだ。
 おそ松兄さん?
 いや違う。何言ってんだ。さっきから。
 「おそ松部長・・・」
 「おっと、まだ起き上がんなよ。あんた粘液水腫でデコって倒れたんだよ。とりまラ○ックスとミリス□ールとh○mpで引いてっけど。サイ□キシンの注射薬って日本じゃないらしくてな。急遽トド松に作ってもらってる。あとICUも空きがねぇし。」
 あ、なるほどバルーンが留置されてる。え、ちょっと待って、これ誰が入れたの・・・?
 「一松起きたか?」
 シリンジを持ったトド松に伴われてカラ松もやって来た。
 「一松師長、チ□キシン注射液持ってきたよ!カラ松先生、ルートから入れてもらえますか?」
 「分かった。チョロ松先生、ポケットの中のエタ□ットもらうぞ。」
 「・・・なんかまだよく分からないが、みんなに助けられたみたいだね、僕。・・・ありがとう・・・」
 「一松師長がお礼言うとか鬼の霍乱かぁ?まぁったく、こうなる前に甲状腺機能に気づけるチャンスは随分あったんじゃねーの?あんた、職員検診の結果、数年来握りつぶしてたろー。それでよく臆面もなく患者指導なんて出来たもんだぁね。」
 「少なくとも貧血、コレステロール、肝機能障害で引っかかってたはずだが?」
 「確かにカラ松先生の言う通り・・・。でも軽度な異常だったから・・・」
 「嘘ですよ、さっき一松師長のカルテ見たら前回検診でHb8台でしたよ。」真面目チョロ松が暴露した。
 「おい、一松師長!」
 「・・・うるさい、クソ松。」
 「まー貧血以外のコレステロール高値とかトランスアミナーゼ高値とかは、低栄養でマスクされてたんだろうけどなー。それにしても倒れるまで我慢しちゃうってのはちっと良くないんじゃない師長さん?」
 「・・・」明らかに理のある無勢の一松、無言になるしかない。
 「ま、これで甲状腺機能が戻れば、ちょっとは明るい一松師長さんになるかもだから、まいっか?」
 「・・・根暗なのは甲状腺機能のせいじゃなくて元々の性格が大部分だと思うけど・・・」
 「あと、病人に鞭打つようで悪いけどさー、さっき病棟に一松師長充てでかかってきた電話っていうの、あれもおじさん気になるなー。」
 おそ松先生が嫌な笑い方をした。粘液水腫のドサクサで勘弁はしてもらえなかったみたいだ。仕方ない。あの電話の直後調子を崩したのだ、関連付けられて記憶されてても無理はないだろう。
 それに元々この病院に入職して外科病棟に入るにあたって、病院長と当時の外科部長には一松の一身上の都合について明かしてある。現部長のおそ松が知っていても不思議はない。
 「・・・」
 「俺以外の松には出てってもらうぅ?」
 「・・・いや、いいよ。・・・この前から、多分みんなでおでん屋で飲んでから、どうもみんなが他人の気がしないんだ。こう・・・兄弟っていうの?いや、もっと近しい何か・・・何もかも共有してる・・・そういう何か・・・」
 「・・・六つ子みたいな?」
 「そう、・・・トド松の言う通り。六つ子なんて生物学的には可能性が低すぎてバカバカしいけど・・・でも言うなればそんな感じ・・・」
 「・・・俺も一松師長の言ってることが分かるぞ。やはりこの前のおでん屋からだ・・・チョロ松は元々外科医局の後輩で弟のようなものだったが、今は十四松やトド松、一松師長まで俺の可愛い弟のような気がしてな・・・」
 「やめろ」キモいことを言うカラ松に背中の毛がゾワッとして、一松は唸った。
 「でもそんな荒唐無稽なことが・・・さっきのは、一松師長の方が弟だって感じてるってことですか?」チョロ松先生は半信半疑のようだ。
 「・・・とは言っても、六つ子なら同い年ということになるがな。」
 「ややこしくなるからクソ松は黙ってて!」チョロ松、先輩に向かって臆面もなくクソ呼ばわりである。
 「・・・僕兄さんが5人出来たということ・・・?」トド松が呆然としたように言う。
 でもそう、やはりおでん屋からだ。元々みんな頼れる職場の先輩方だったけど、今はこう、実の兄さんたちに甘えるように頼りたがる自分がいる。僕一人っ子なはずなのに。
 「・・・あーっ、やめだやめ!だから俺こーゆーファンタジーみたいのは苦手って言ったろー!ややこしくて頭がぐちゃぐちゃするぅ!ともかくだ、どうせ俺が長男でみんなのおにーちゃんって設定なんだろ、一松、みんなが聞いてても構わないんなら電話の件、体疲れない範囲でしゃべれ。」
 「・・・分かった。」
 話した内容は、特に常識人のカラ松とチョロ松先生をドン引きさせるに十分だった。トド松は一際青ざめている。まぁガチな犯罪者って聞いたら普通その反応だよね。ヒヒッ。
 「・・・い、一松師長はk、苦労したんd・・・」
 「いーよクソ松、無理してフォローしなくても。」
 「いや、無理なわけじゃ・・・」
 「・・・ともかく、一松師長を介しての病院の薬剤の横流しを防げばいいんだね?それなら、そんなに難しくないよ。この病院からの薬剤在庫管理は僕もある程度注意していられる。近隣の薬局にも、新規の向精神薬処方とかで怪しい処方箋の動きがあったら必ず疑義照会してもらうように通達しておく。次の聖澤市病院薬剤師会でもみんなに注意を呼びかけられるし。」
 青い顔をしながらも、一番早く冷静な対処法を出したのはトド松だった。
 「・・・あとは一松師長自身の身の安全も確保しないと。職場知られてるとか、相手が殴り込みに来たら・・・」チョロ松がビビりながらも付け加えたのに、
 「オレとカラ松に連絡、だな。」おそ松が即答した。
 カラ松は無言で指をポキポキしている。やる気になってくれているところ申し訳ないが、それはかえって奴等の思うツボだ。どうして外科医って基本脳筋なんだろう。僕と違って、ドクターは傷害罪などで経歴を汚すのはまずいだろうに。
 「・・・まずは警察に連絡、だよ。」
 「だが一松師長、それでは、」
 「・・・あいつらが僕を揺すれるネタは、今いる職場に前科をバラされるっていう一点だけだ。僕がそれを恐れなければ、あとは警戒すべきは個人的な報復くらいしかない。もう刑期は執行猶予が終わって満了してるんだ。一事不再理。同じ犯罪で二度は裁かれない。前科のことで周りがうるさくなったら僕が辞めればいいだけ」
 投槍とも覚悟の上とも取れる一松の解決策に、真っ先に首を横に振ったのはカラ松だった。
 「一松師長、いや一松、それはダメだ。一松だけが犠牲になって解決するというのは許さん。・・・一松の悪い癖だぞ、『いつも』自分一人だけで抱えようとするのは。」
 「カラ松・・・カラ松『兄さん』・・・」
 「3人寄れば文殊の知恵と言うしね、6人寄ればもっといい知恵が出るかもしれないよ。」
 「チョロ松はいいこと言うな。」
 「カラ松よりはね。」
 「・・・」トド松はさっきから言葉少なだ。

 パチパチパチ。不意に場違いな拍手が聞こえてきた。
 「素晴らしい。どんな世界でも貴方方は麗しい絆をなかなか無くしませんね。」
 まるで最初からいたかのように、松以外の男が部屋に出現していた。燕尾服に身を固め、シルクハットをかぶって白手袋をした、見るからに胡散臭い奴。馴れ馴れしげにチョロ松の肩に腕を持たれかけさせている。『まるでおそ松がいつもやるように。』
 チョロ松はカッとなってその腕を払った。「誰だ!?」
 「・・・悪魔か何か?」
 「そうですね一松さん。世界によっては、そう呼ばれる事もあります。より正確には、私は平行して存在する世界線を自在に渡って操れる、調停者。主様の意図に沿い、行動する者」
 「・・・意味が分からない」
 「カラ松さんには理解するのは無理かもですね。さて、無駄話をしている時間はありません。麗しい絆も、ほんのちょっとした運命のいたずらで簡単に綻びるものなんですよ。・・・トド松さん、そこでさっきから顔色を失って俯いてますけど、我慢せずに言いたいことがあるなら言った方がいいんじゃ無いですか?一松さんに」
 トド松があからさまにビクッと肩を震わせた。
 「言って楽になってしまいなさいよ。・・・僕の家族が壊れたのは麻薬のせいだって。僕は麻薬を売った人も、使った人も、・・・作った人も同様に憎んでるって。」
 「おい黙れ!」
 おそ松が怒鳴ると同時に、カラ松が調停者とやらに殴りかかった。しかし何かのバリアのようなもので調停者は包まれているらしく、逆にカラ松の方が病室の隅まで吹っ飛ばされた。ガタイの良い体が病室の薄い壁に当たって派手な音を立てる。
 調停者の暴露話は、目をギュッと瞑って顔を背けてしまったトド松の表情が、それが真実だと語っていた。一松の方は、せっかく回復してきたEFがまた50%を切るんじゃないかと心配になるほど真っ白な顔になっている。
 「・・・ふふふふ・・・あーっはっはっは!やはりこの世界では六つ子をバラバラに成長させて、『病院』という人の善悪悲喜こもごもが複雑に交差する舞台を選んで正解だった!調停者は完全な未来予測こそできないが、こううまく全ての偶然が絡み合ってくれるとはね。貴方方の絆で毎回毎世界邪魔されるのもこれで最後にしましょう。我々の目的はこの平行世界のバランスを崩して崩壊させ、二度と新たな世界線が生み出されないこと。今回こそはさしもの貴方方の絆も修復不可能でしょう!遂に主様のお望み通りになります!」
 「だからもうファンタジーはウンザリだって言ってんだろ!No more fantasy!」
 今度はカラ松ではなくておそ松が殴りかかった。敵わずとも捨て身の一撃。
 その瞬間、41○号室のドアがガラッと開いた。
 「一松兄さん倒れたんっすか!?大丈夫なんすか!?」
 その途端、5人の目には見えないガラスが粉々に砕け散る光景が見え、耳には聞こえないパキン・・・!という高い音が響いた。
 「・・・相変わらず十四松さんはイレギュラーですか・・・。まあいい、布石は敷いた、今日のところはこれで引き上げましょう。」
 男は来たとき同様、まるで初めからそこにいなかったように掻き消えた。
 「十四松か・・・。」
 「十四松・・・ほんといいタイミング・・・」
 「十四松兄さん・・・」
 「・・・」
 「・・・っつうっ・・・!十四松か・・・。助かった・・・」
 「どういう事っすか?何があったっすか?・・・カラ松兄さんは何で床に座ってるっすか?」
 他の5人に流れる変な空気に、さすがの十四松も顔を曇らせるのだった。//




・・・何で医療従事者妄想でこんな展開になってきたのか、書いてる本人が謎です!あと今回も、犯罪松や生い立ち不幸松に該当する松たちのファンの方々には本当に申し訳ないと思っております。が今後の展開で(筆者が考えるところの)全員が不幸にならない大団円方面へうまくまとめていきたいと思っておりますので、どうぞ石を投げないでください。


ではでは(現実には鼻が詰まっていてふがもご、という感じですが)、また次回。


追記にトリオ松名第2弾。


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「おそ松さん」の六つ子が医療従事者だったらというn番煎じ妄想-小話(16)

風邪ひいて熱発しましたwww□キソニン飲んでも37度台切らないって相当だよね。まさか遅れてきたインフルB型じゃねーだろーなwwアメリカでもインフルワクチンというものは普及しておりまして、自分は医学部関連のラボにいるもんだから、スタッフは無料で大学付属病院で打ってもらえるんだけど、接種期間が10-11月なんだよね。当然、5月になれば効果は切れかかっているという。www
幸いにして頑丈にできてるので、カ□ナールも盛って12時間ほど寝床で悶えてたら、熱も引き気味になってきましたけど、さすがに今日は仕事にならなかった。www


そんな中でも、「おそ松さん」六つ子が医療従事者だったら妄想はやっていきます。w
本日はついに一松事変です。アニメの方では完全にギャグ回でしたが、当ブログでは割とシリアス展開です。


テンプレ諸注意、これまでうpした小話は→目次へ

また今回はガチな犯罪松方面のお話です。過去捏造っぷりがひどいです。
医療用薬品の乱用など現実の日本の医療現場で起こりうるものとは断じて異なります。あくまでこの世界線の中だけのフィクションとお考えくださいませ。いつも以上に、何でも許せる方向けです。



おkな方は↓



・一松事変外科病棟版

 「師長ー、外線でーす」
 「どっから?」
 「○ホンさんですー」病棟で使用する酸素ボンベを卸している業者だ。
 一松はのそのそとステーションを横切って電話に出た。最近とある事が気になっているせいか体調が思わしくない。いつも以上に体が重くゆっくりしか動けない。もっとも悪い体調を押して仕事するのは慣れてはいるんだけど。それにしても息切れがひどい。動悸はせずに息切れだけする。貧血の所為ではないという事だ。タバコは止した方がいいんだよねほんとはね・・・。分かっちゃいるんだよ分かっちゃあ。
 誰にともなく心の中で言い訳しつつ電話に出た。
 「はい、赤塚病院外科病棟師長の松野ですが。」
 『・・・一松か?あの、一松?ホントに、病院の看護師長さんなんてもんに収まってたんだな。ははっ』
 一松の顔から一気に血が引いた。明らかに業者じゃない。誰だ・・・?聞き覚えのある声だ。まさか・・・
 『おい、一松。いちまーつ?なに?俺の声忘れちゃったの?昔あーんなにつるんでたのにさ。ある日いきなり消えちまって。売り上げに響いて大変だったのよ?うちの上が荒れちゃってさ。やぁーっと見つけたんだからさ、もうちょっと付き合ってよ、ね?』
 もともと口数少なで顔色は良くない一松にしても、電話に出ているのに一言も発さず、血の気が引きすぎていたので、ナースステーションでちらちらこちらを伺うナースたちに困惑の色が浮かんでいる。このままここで話し続けるのはまずい。
 「その件でしたら、後日こちらの番号までお願いできますか。080-XXXX-YYYY・・・」
 『えーなーに、いちまっつあん、そんなんで逃げようなんてちょっと考えが甘くなったんじゃなーい?でもいいよー、お仕事中だろうしね、昔の馴染みでこれだけで許したるわ。な、病院ってモルヒネとか一杯あるんだろ?フェンタ○ストって奴が一番興味あんだけどー。病人よりもっと必要としてる昔馴染みにさぁ、ちょっと分けてあげてくんない?』
 一松の頭にカッと血が上った。受話器を口元で覆って声をひそめる。
 「馬鹿か!できるわけないだろう!病棟のモヒは数を毎日確認してる。病棟ナース、薬剤部、いろんな部署で複数回だ。横流しなんて絶対できない。それに・・・」
 『それに?』
 「病人以上にモヒを必要とする人間なんてオレは知らない。以上だ。切るぞ。」
 『あーれーそんなこと言っちゃっていいのかなぁ?職場に電話できるってことは、職場に直接ご訪問することだって出来るってことだよ?そうなると困るのは一松ちゃんじゃねぇ?俺ってさー、自分で言うのもなんだけど、あんま柄が良くないからさー』
 ちっと舌打ちが出た。こいつらのウザさは山蛭の如きなるのはよく知っている。一松も『そっち側』だったことがあるからだ。でももう手を切った世界だ。いつまでもまとわりつかれても困る。だが多少は『エサ』を与えないとすぐには離れないだろう。
 「・・・頭を働かせ。モヒを必要としてる患者には法の規定内でいくらでも与えられるってことは、病人になればモヒが得られるんだ。誰でもお知り合いのお医者さんで末期ガンって診断書出して貰えば、麻薬施用者免許を持ってる医師なら誰でも処方してくれる。痛み止めとして。うまくいくかは知らないし、パクられないかどうかもオレは知らないけどな。でもモヒなんて日本でそんなに売れる筋なのか?阿片なんて現代社会で流通してんのまず見たことないが」
 『モヒをモヒのまんま売るんじゃねーよ。あんたそっちの専門だったのにもう忘れちゃったの?いい官能基付けられそうな反応を発見してくれた先生がいてね。『ぱぷめど』って奴で見つけたんだ。いちまっつあん、あんたがそれを引けって教えてくれたんだよ?合成カンナビノイド環の効率のいい作り方だっけ?あれでうちの組織が脱法ハーブの市場じゃ一番になれたんだから。』
 「っち。オレが教えなくても生命科学の業界じゃ汎用されてる検索サイトだよ。もういいな?切るぞ。」
 『はいはーい、じゃ、『またね』一松。』
 受話器を置いて、思わず顔を手で覆ってしまった。処方箋薬の横流し。患者のフリして受診して、ネットに流す。睡眠薬なんかでは常套手段だ。うつ病って称して、ドクターショッピングして方々から集める。内科なんかだったら簡単だ。別に一松が情報提供しなくてもすぐに誰でも思いつく手段だろう。・・・だからオレが明かしたって大した罪じゃない。そう、昔やってきた罪よりゃずっとマシだ・・・。
 「大丈夫ですか?あの・・・一松師長・・・」ナースに声をかけられハッと我に帰る。
 「大丈夫。いや、風邪でもひいたかな、ちょい気分が悪いんだ。用がなければ、師長室で休んでるから。なんかあったらピッチ鳴らして。」
 「はい・・・」
 のそのそと師長室へ戻りながら、我ながらナースに対して下手なごまかしだと思った。本気でごまかす気あるのか?ないのかもしれないな。ヒヒっ。なんだかんだ言って、赤塚では僕は甘えてる。かつてないくらい。だから僕が昔しでかしたことがバレるのは最悪構わない。でも大恩ある赤塚病院には僕がらみのことで迷惑はかけられない。いざとなったら何もかも切って出奔する用意だけはしとかないと・・・。
 無駄にケー番も漏らしてしまった。今の奴はあいつら専用にして、職場とか用には別の奴を契約して、番号変わったってみんなに知らせなきゃ・・・
 
 何とか師長室までたどり着いて、ドアノブを握った途端、もう誰にも姿を見られずに済むという気の抜けのせいか、一松はズルズルとその場にくずおれてしまった。
 いや、床まではくずおれなかった。
 「一松師長!『一松』!」
 その前に、彼の体をがっしりと掴んだ腕があったのである。一際体温の高い逞しい体躯を背中に感じる。これはクソ松か・・・?何て間の悪い。こいつにだけは・・・こいつに・・・だけ・・・は・・・弱・・・味・・・を・・・
 なぜか思ったよりもその腕の中が心地よくて、いつも張りつめ慣れたはずの気が一松の望むようには張れなかった。
 そのまま意識がブラックアウトした。//



・・・気になる所で終了ですみませんww続きはありまぁす!
でも本日はここまでですwwさすがに今日は寝ないとヤバい気がする。

「おそ松さん」の六つ子が医療従事者だったらというn番煎じ妄想-小話(15)

今日は日曜日。珍しくぬーよーく友人宅のホムパへ呼ばれて遊びに行くなんてリア充な週末を過ごしています。年間数%あるかないかの出来事です。

手土産のクッキーの箱を持った状態で、ちょいと仕事するためにラボへ寄ったのですが、エントランスの警備員の人たちに、「その箱はここへ置いてけ!」と言われましたwwww警備員が追いはぎすなwwwwwww

約束の時間まで中途半端に余ったので、本日分の「おそ松さん」六つ子医療従事者妄想をうpしてしまいます。

テンプレ諸注意と、これまでにうpした小話は→目次



本日は兄松先生たちのお話です。
何でも許せる方だけお読みください。↓



・一寸先は闇

 すぐ表の通りで人がはねられたとのことで、赤塚病院救外にダイレクトに患者が担ぎ込まれた。ちょうど自分の外来患者がはけ切って野次馬がてら救外を覗き込みに行ったチョロ松先生。そこで目にしたものは・・・
 「えっ・・・!?W辺さん・・・!?」
 担ぎ込まれたのはさっき外来で自分が診察した患者だった。
 パッと見外傷は全身打撲ぐらいに見え、はっきりした外出血も無い。手足も大した偏位は無いように見える。だが意識は全く無いようで、肌色は異様なほど白く、衣服は全部切り開かれ、今まさに救急医の手によって挿管されようとしていた。救急医の話によると、道路を横断中に直進車にノーブレーキではねられ、10mほど宙を舞ったとの事だった。
 「なっ・・・なんでっ・・・つい・・・ついさっき、笑って『また来月にー』って言って帰ったばかりなのに・・・!どうして、どうしてこんなことに・・・」
 思わずよろめくチョロ松。事情を察した救急医が、「まさかチョロ松先生の患者ですか!?」と痛ましげな目で見てくる。壁にヨロケ当たる前に、人の体に当たった。「おいチョロ、役に立てる状況じゃ無いんなら引っ込んでろ。この場に居たいんなら何かしら医者として役に立て。」
 同じく野次馬にやってきたおそ松部長だった。
 「・・・いや、役立てます。」
 おそ松の顔を見たらフッと立ち直った。感情的に支えられて立ち直ったのではなく、研修医の頃から肉体に叩き込まれた刷り込みによるものだった。
 立ち直ったと見た救急医が当座の主治医としてチョロ松に判断を仰いでくる。もっとも、自発はありますが頭を強く打っていていつ止まるかわかりませんので挿管管理しますがよろしいですね?とか、全身CTの結果腸骨骨折と頭蓋骨骨折が主な損傷なのでまずアンギオ室に運びのち血腫除去術としますがそれでいいですね?といった、最終的な同意だけを行えばいいような指示聞きになっていた。幸いにして胸腹部の内臓に損傷は少なく、外科医局の面々の出番はなかった。チョロ松は患者の既往や普段の投薬内容を救急医に都度説明したりして、結局患者がオペ室ドアの向こうへ消えていくまで付き添った。

 その後医局へ戻ると、おそ松先生がカラ松先生に今日の顛末をちょうど話しているところだった。
 「・・・どうやらチョロの外来終わって、道挟んだ反対側の門前薬局へ行こうとして道渡ってたとこを前方不注意の車に轢かれたってとこみたいだな。」
 「確かに交差点の信号はだいぶ離れていて、そこまで行くのを面倒くさがってダイレクト横断する患者は後を絶たないな。2車線とはいえ交通量の多い主要県道を挟んで病院と門前が立ってるとか事故を誘発してるような配置じゃないか。押しボタン式信号を病院入口前にもう一つ付けてもらうとか、警察に対策を相談してみたことはないのか?」
 「以前病院長が陳情したらしいが、県道にはどのくらい間隔をあけて信号を設置するとか法で決まってるから無理だって言われたってさ。信号作りすぎっと渋滞になるってことみてーだな。むしろ遠回りでも病院角の交差点のところまで行って横断歩道を利用するよう、患者にちゃんと指導しろってこっちが逆に怒られたらしいぜ。確かに門前へ渡ろうとして患者が事故ったのはこれが初めてじゃねぇ。」
 「なるほどな・・・。それが理想とは分かっていても、そうはできないのが人間だからこそ事故が絶えないんだがな・・・。医療関係者は人間の怠惰さや弱さに寄り添うのに慣れてるが、警察はそれを憎み取り締まる側だからな。問題を同じレベルで共有するのは我々には永久に無理かもしれないな・・・。・・・チョロ松先生、さっきからひどい顔色で座っているが大丈夫か?今日は早めに休んだ方がいいんじゃないか?」
 「大丈夫です。・・・いや、ちょっと考えてたんですよ。さすがに最初に僕の外来患者さんが変わり果てた姿で救外に担ぎ込まれてるのを見たときは確かにショックを受けたはずだった。でもその後救急の先生と一緒に検査やアンギオ室に行っているうちに、新たな『交通外傷』患者にしか見えなくなっていた・・・。こうやって、客観的に見たらひどく悲しむだろう状況になっても、心を殺して仕事に徹するのをずっと繰り返していたら、僕はいつか人として悲しむべき状況でも悲しみそのものを感じなくなる日が来るのかなって。」
 「あぁん?チョロ、何今更なこと言ってんだ。入院患者を一人看取ってわんわん泣く患者家族を慰めたとしても、その5秒後には別の患者にニコニコしながら外来診察するってのが俺らの商売だ。それで金もらってんだよ」
 「・・・俺はおそ松とは少し違う意見だな。湧き上がる悲しみを都度押し殺すのと、そもそも悲しみが心に湧いてこないってのは、大きな違いだ。悲しみが自然と湧き上がってこない人間のってのは物心ついた頃からずっとそうなんであって、長ずるにつれ周りとの差でやっと違和感を覚え、何も湧き上がってこない自分はもしかしておかしいのではないかと気づいて、必死で僅かでも湧き上がっているものがないか自分の心を探し尽くした結果、悲しみのかけらも見つからないで以来ずっと途方に暮れているものだ。・・・チョロ松は、間違いなくそうではないだろうから安心しろ。」
 「・・・(カラ松『兄さん』?)」
 「・・・」妙に遠い目をしていたカラ松に、チョロ松は声をかけそびれた。珍しくおそ松も沈黙を保ったままだった。
 いや、部長先生はやはりそんなに長くは沈黙を保っていなかった。
 「よーし、こういう時はぱぁーっと飲みにでも行くかぁ!」
 「・・・こういう時以外だって大抵飲んでるでしょ・・・」
 「ははは、チョロ松先生、いつもの調子が出てきたな?」
 「よーし、飲も飲も!飲んで忘れるっつーのを、患者もどーせやってんだ、俺らがやって悪いっつー道理もねぇだろ!」
 「理論が無茶苦茶ですよ、おそ松部長・・・」
 チョロ松の顔が奇妙な泣き笑いになった。それを見てカラ松先生もうんうんと笑顔で頷いていた。
 そうだ、チョロ松が悲しみを感じなくなる日なんて来ない。悲しみを表面的に抑えるのがより上手になるだけだ。仮に堪えすぎた悲しみで心が引き裂かれる日が来るとしても、悲しみを感じられる人間の心に悲しみが湧かなくなる日は来ないんだよ、チョロ松。 悲しみが湧かない人間に悲しみが湧く日が来ないのと同じように。//



・・・SNS上で、医師の仕事をしていて患者さんのタヒを何度も目の当たりにしていると、人のタヒに対して感覚は鈍麻していくのか、と実際聞かれたことがあります。そのとき答えたのは、俗に『自分の子供がちょっと怪我したのは、隣の家の子がタヒんだのと同じくらいのインパクトが親にはある』というのとまったく同じことが、医者にも当てはまる、ということです。ちょっと考えれば当たり前な話なんですが、家族が病気になったときの動揺と受け持ち患者さんの具合が悪くなった時の気持ちは当然同程度ではありません。それは別に患者さんに相対したときは仕事モードになってるからってわけだけじゃないです。外来で年余にわたって診察していた患者さんの訃報は悲しく思いますし、当直でたまたま行った病院でタヒ亡宣告をするだけの関係だったらほとんど何も思うことはありません。当直明けにはもう名前も思い出せません。また、自分の家族が亡くなっても、タヒに至った原因を科学的に考察することは一般人よりできるかもしれませんが、家族を失った悲嘆がそれで完全に和らげられるかと言ったらそんな甘い話でもないです。タヒ体そのものやタヒという現象自体には慣れますが、タヒに面した人々の嘆きとかにはたぶん完全に慣れることはないですね。

ちなみにカラ松先生の独白は、私なりに彼に付与されている『サイコパス』設定を解釈したらこうなりました。wwww
実際のサイコパスがこんなこと考えるのかどうかは知らん。



さて、本日のもうひとつ小話。レントゲン画像を見る水陸松。




・カラ松先生の岡目八目2

 チョロ 「・・・」
 カラ 「チョロ松先生、シャウカステンなんかにフィルムをかけてるのか。珍しいな。」
 チョロ 「あ、カラ松先生。いや、これ集団検診の時の間接フィルムを取り寄せたんですよ。この肺Caの患者さん、時々レントゲン検診してたのに、結局咳が出てからCaの診断受けたっていうから、いつから影があったか追えるかなって。」
 カラ 「なるほどな。一番右が今回オペ前に撮ったやつだな?」
 チョロ 「そうです。で真ん中が半年前、一番左の検診は2年前。」
 カラ 「右は明らかに左上葉に1.5cm大のcoin lesionがあるな。半年前の同じ位置にある影から見ると増大している。」
 チョロ 「半年前の段階で開業医には引っ掛けられてたみたいで、3ヶ月おきにフォローを指示されてたけど忙しくて受診できなかったみたいですね。」
 カラ 「ふむ。半年前のだと影が小さすぎてCaとも炎症の瘢痕とも言えないものな。この時点でCTを撮ればよかったのに・・・いや、勧められても受診できてなかったのか。・・・でもそういう目で見ると、2年前の検診の時のこの影がすでにCaだったんだろうな。」
 チョロ 「えっ!?」
 カラ 「これ、今俺がレーザーポインターで示してる奴、これそうじゃないか?」
 チョロ 「あっ、確かにそう言われてみれば・・・そうかも・・・でもこんな薄い影、検診でひっかけろっていうのはちょっと酷だなぁ・・・」
 カラ 「俺たちはretrospectiveに見ているから見つけられる。そういう意味では卑怯だな。でも勉強になるなコレ。さすがチョロ松だな。(全力笑顔)」
 チョロ 「ドモ・・・(ほんと褒めるときはどストレートだからこっちは照れるよね・・・カラ松兄さんは・・・)」//



この、肺がん診断時以前のレントゲン写真を取り寄せて、いつから影があったか確認することでレントゲン読影の技術を向上させる、ってのは、実際自分が行ったことのある、肺がん症例の多い某呼吸器科でやってた手法です。こうやって読影の精度を高めていくのかーと感心した覚えがあります。読影の技術向上は、ひたすら数を見る、に若くはないですね。



・・・結局昼の実験の合間には書きあがらずに、友人宅から帰ってから仕上げました。www
本日はここまでー。ではまた!

「おそ松さん」の六つ子が医療従事者だったらというn番煎じ妄想-小話(14)

真昼間のぬーよーくからこんにちゎ。
共焦点顕微鏡の順番待ちの空き時間を利用して、本日分の「おそ松さん」六つ子が医療従事者だったら妄想をうpしちゃいたいと思います。

本日はサイバー松。割と日常の病棟業務な感じです。


六つ子の基本設定とこれまでうpした小話は→目次まで

何でもおkな方は以下どうぞ↓




・配合禁忌


 珍しく、チョロ松がトド松のいる病棟の薬剤管理室に駆け込んできた。
 「トド松、ちょっといいかな?」
 「チョロ松先生。何かありましたか?」
 「薬の配合禁忌のことで聞きたいんだけど。今うちの外科に回ってきてる研修医にラシッ○ス臨時で打つように指示したら、何を思ったのかフ○ン行ってるルートにラ○ックス打っちゃったらしいんだ。それでルート内がさっと白く濁って、結晶みたいなのができちゃったって。報告を受けてすぐルートは抜去させたんだけど、何かこういうケースで他に特別な処置法とかあるのか、薬剤師の意見を聞こうと思ったんだ。」
 「フサ○にラシック○とか教科書的な配合禁忌じゃないですか!ルート内の結晶が血管内に入ったかどうかは分かりますか?」
 「どうだろう、大きなものは入ってないとは言っていたけど、多分微細なものは目じゃ確認できないよ。」
 「うーん、ちょっと検索してみますけれど・・・(カチャカチャ)・・・これといってすぐ検索できる情報はなさそうですね・・・。注意深く患者の様子をモニターするしかないかも。末梢中に微細な固形物が混入して何かまずいことって医学的にありますか?」
 「ある程度大きさがあれば肺動脈に塞栓するか、脳血管に塞栓するかしそうだけど、ルート内にできたミクロ単位の結晶だったら、・・・推測でしかないけどまぁそれほど大事には至らないんじゃないかな。」
 「当面経過をみるしかなさそうですね。患者さんの元々の疾患は何なんですか?」
 「肺Caのケモ中で、DIC傾向になったんだ。汎血球減少もあってMAPも追加してる。」
 「全身状態はあまり良くなさそうですね。血栓傾向は元からか・・・。正直、thrombosis起きてもどっちが原因か分からないかもですね。」
 「そうとも言えるかもね。・・・ともかく、ちゃんと投与ラインを指示しなかった僕も悪かったんだ。研修医曰く、○サンルート以外はMAPが繋がってたんで、どっちか迷った挙句のフサ○選択だったらしいよ。」
 「いかにも新人っぽい間違い方ですね・・・。確かにMAPもメインの薬剤投与ルートとは別に単独投与した方がいいとされてるけど、要は人の血液の成分そのものですから、併用禁忌の種類の多さはフ○ンよりマシなんですよね。・・・迷ってたなら、実際打っちゃう前に僕に聞いてくれたら良かったのにな。」
 「きっとまだそういう病棟スタッフとの連携の取り方とか、何もかにもに慣れてないんだ、今年春入ったばかりの研修医だからね。僕ももう少し気をつけるようにしないと・・・。これはインシデントレポート事例だね。研修医君は赤塚来てから初めての大きな失敗だったみたいで、えらく打ち拉がられてるよ・・・」
 「みんな何かしら失敗しながら成長するものだからある程度は仕方ないとも思うけどなあ・・・。インシデントレポート作り、僕も手伝うよ。研修医君とも、後で慰める会の飲みでもやろうか。」
 「ありがとう、トド松。」
 「大丈夫だよ。チョロ松兄さんも、元気出して。」
 「ほんとありがとうね、トド松。」

 お礼を言いながら薬剤管理室を出たところで、チョロ松はあれっと首をひねった。今チョロ松『兄さん』って呼ばれなかった・・・?
 いや、まさか気のせいだ。部下のインシデントでちょっと平常心を欠いてるだけだ。こんなことで動揺するなんて僕も修行が足りないな。でもオペ時の修羅場などには慣れているものの、こうしたどっちかというと内科っぽい方面のミスはどうしても取りこぼしがある。
 (うん、インシデントレポートの本質はミスの起こる状況を見極めて次から繰り返さないことだ。僕も新人研修医にivの指示出しだけで一人でやらせないようにする。研修医君も薬の併用禁忌について今後はしっかり学んでくれるはずだ。)
 さっと頭を切り替えて、チョロ松は研修医の待つナースステーションへ戻っていった。//



・・・ラ○ックスの配合禁忌多すぎて、ICUとかで投与するルートがないさ加減はガチwwww
トリプルルーメンCVから①メイン中心静脈栄養剤+おかず、②カテコラミン類、③セデーション用薬剤、末梢から①血液製剤とか脂肪乳剤、②フサ○、③抗生剤とか行ってると、ラシックス打つためだけにさらにもう一本ルート取るんかい・・・?ということになりかねぬ。スパゲッティ症候群もかくやである。フ□セミド作ってる製薬会社の人は早急に薬剤のpHを何とかしてください。



今日の二つ目の小話は、長兄松が病棟ナースステーションでCT画像見てます。



・カラ松先生の岡目八目


 おそ 「・・・」
 カラ 「どうした、おそ松。お前がそんなにCT写真に見入ってるのは珍しいな。」
 おそ 「んー、今度のオペ患なんだけど、この腫瘍に巻き込まれてるこの血管ね、腹腔動脈とかだったらやだなぁって思ってねー。位置的には些末な分枝っぽいし放射線科も指摘してないんだけど、妙に太いんだよねー。俺が納得できないっつうかさ。」
 カラ 「うーむ、このスライスじゃ腫瘍に圧排されて偏位しすぎてて分からんな。こう、スライスを順に上流に追ってってaortaからの分岐点まで辿れば分かるんじゃないか?」
 おそ 「なるほどな。(マウスカチカチカチカチ・・・)あー、CAの分枝のまた分枝っぽいな。肝分枝も脾分枝も別に出てる。アレか、腫瘍に栄養するんで太くなっただけか。」
 カラ 「そのようだな。一応SMAとIMAも見たほうがいいのではないか?先天的な分枝異常があると困る。」
 おそ 「おっそうだな、(カチカチ・・・)ん、どっちもclearだ。良かった、本気で腫瘍に巻き込まれてたら、腹腔内臓全摘+体外腫瘍摘出+自家再移植のウルトラCでしか切れねぇとこだったわ。」
 カラ 「コ□ンビア大の神の手外科医がやってたって奴か?日本じゃ普通それはインオペの判断になるだろうな。腹を開けてはみたものの、血管にがっちり食い込んでる腫瘍を見てそっ閉じって奴だ。ともかく、この症例はうちの病院で開けても大丈夫だろう。念のため画像診断部に言って3Dアンギオ画像を作ってもらったら完璧だな。」
 おそ 「おう、それなら今度ちょうどMRI撮る予定だからMRAって手もあんな?・・・ま、とにかく助かったよカラ松っつぁん。」
 カラ 「ふっ、役立てたなら何よりだ。」
 おそ 「カラ松ってさぁ、たっまーに冴えるよねぇ・・・」
 カラ 「 むっ、たまに、は余計だ!『いつも』だ!訂正しろ!」
 おそ 「はいはーい、いつも素敵で冴えてるカラ松様~」
 カラ 「ふざけてるだろうお前!」
 おそ 「なっはっは(拳を避けながら)」
 (でもカラ松って画像の見方が時々冴えてんだよな、外科より画像診断のが実は向いてんじゃねー?とおにーちゃんは思うけどなー)//




・・・X-p、CT画像の岡目八目具合はガチ。あまりに横目で立って眺めてる人の方が影とかに気づくので、実は病棟のカルテ用PCの前の椅子に座らないで見た方が良いのではないかと思ってしまうバイアスがかかるほどである。というか、医療行為全般岡目八目があるからこそ、主治医が一人で抱えるんじゃなくてカンファレンスとかで治療方針について話し合ったりするのが良いわけなんだけどさ。画像診断の先生は基本一人でやってるわけだから凄いよね。(こなみかん




さて本日はここまで。仕事に戻ります。またね。

追記に速度松の超ショートコントを入れておきます。



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「おそ松さん」の六つ子が医療従事者だったらというn番煎じ妄想-小話(13)

こんばんゎ。まだ本日の実験は終わってないのですが、間のインキュベーションタイムがちょいちょい空くので、その間に本日分の「おそ松さん」六つ子が医療従事者だったら妄想をうpってしまいます。そんなことしてる時間があったら論文を書けよ、というラボボスのお言葉が聞こえるような・・・いや、まぼろしまぼろしwww


今回の小話から唐突なファンタジー入ります。何でこっち方面に話が向かい始めたのか、理由は書いてる本人も分かりませんwww
ほのぼの医療系日常の方が良かったのに、という方、万一いらっしゃったらすみません。

あと2つめの小話、というか小設定集の前に、いつものテンプレとは違う、特記すべき注意事項がございます。
一気にスクロールせずに、一度注意事項にお目を止められてから、おkな場合だけその後をお読みください。


テンプレ注意事項とこれまでうpした小話は→目次まで


注意事項を踏まえた上、何でも許せる方は以下妄想小話をどうぞ↓





・不思議なおでん屋さん


 そのおでん屋さんが赤塚病院の前にできたのに気づいたのはトッティことトド松だった。屋台じゃなくて、おでん専門の居酒屋って珍しいな。暖簾をくぐって、カウンターで食べた。昔懐かしい、おふくろの味のようなおでん。と言っても、僕はあんまりおふくろの味って知らないんだけどね。それと値段が手頃で、それでいてよく吟味されている全国各地の日本酒が揃えてある。店主も気の良さそうな御仁だ。ハゲ頭にねじり鉢巻きをして、小柄な体をマメに働かせている。いいねぇ、今度みんなを誘って来よう。
 トド松が広めたおかげで、おでん屋は赤塚病院の飲み会場所の定番にすぐなった。そんなことをしていれば、こうなる可能性は十分にある。
 「ういーっす!ってあれ、十四松にトド松!ってか物陰にいるのは一松師長!なーんだ、全松揃っちゃったじゃん?」
 「おそ松先生!・・・とカラ松先生にチョロ松先生まで・・・!お三人揃って、でも他の外科の先生はいなくて、てのもまた珍しいですね。」
 「ふっ。運命の女神が我らが松を導いて・・・」
 「今日この3人でオペだったんですけど長引いちゃって。他の外科の先生はもう帰っちゃってました。でちょっと飲んで帰ろうって話になったんです。」
 「チョロ松先生、通訳っすか!?」
 「トドと十四松は同期で仲良くいつもつるんでんのは知ってっけど、師長はどったの?珍しいよね?」
 「・・・うるさいよおそ松先生。いいじゃないか別に。僕はたまたま一人でのんびりおでんを夕飯に食べてただけ。そこへトド松と十四松がドタドタやって来て、次はあんたたち。いい迷惑だよ、ヒヒっ」
 「・・・あんたら、こっちの世界でも相変わらず仲いいんだな。」
 「「「「「「はい?」」」」」」
 6人が一斉に横槍を入れてきた店主を見つめた。丸い顔に捩り鉢巻きのハゲ頭、小柄な体軀。おでん屋チビ太の屋号は、店主が自分のことを指して付けたのだろう。しかし今、『こっちの世界』って言わなかったか?何それ?カラ松先生が好きな厨二病ファンタジーか何か?
 「えっ何?俺ファンタジーとかそういうのパスよパス、ああいうの苦手なんだよねぇ。そーゆーのはカラ松が得意でしょ、よく小説読んでんじゃん。」
 「いやおそ松、よくは読んでないし得意でもないぞ。でもこっちの世界ってどっちの世界のことだ?」
 店主はごまかした。
 「・・・いやまぁ、こっちの話だ。すまん忘れてくれ。さてご新規3名様、何を飲まれますか?」
 「んー、とりあえずビール。」
 「僕はハイボールで。」
 「俺は中国4000年の歴史に連なる黄金の龍のお茶を・・・」
 「ウーロン茶ね。」
 「自分で言っときながら何なんだが、なぜ今ので分かった!?」
 「・・・」
 「・・・」
 「・・・以前にも来ていただきましたよね?当店に。」
 「あ、ああ、これで2回目だが、・・・なぜ答える前に言い淀んだ・・・?」
 「っち、カラ松の癖に鋭い。」
 「何だって?」
 「あ、イヤイヤこっちの話です。はいビール。ハイボール。はいウーロン茶。」
 「はいビール♪ハイボール♪ってなんかリズム良くね!?あれ、賛同が得られない!?まぁいいや、じゃまずは、乾杯といきますか!」
 おそ松の号令下、ガチャンとグラスをくっつけ合う6人。その様子を見ながら、店主は一人苦笑した。
 (おそ松はどこ行っても親父ギャグだな・・・。というか、実際ここではずいぶん親父だな?ここの世界線では6人歳が離れてるのか・・・)
 無数の世界線にいる無数の『同一人物』のうち、チビ太だけが世界線をまたがって記憶を共有している。理屈なんて知らない。できるからできる。理由が分かったところで事実が変わるわけでもないから深く追求したことはない。
 目の前の6人は知る由もないだろう。別のある世界線では、6人が六つ子の同い年の兄弟だったなんて。世界線によっては他人同士だったり、歳も職業もバラバラだったりする。共通しているのは、何らかの接点で必ずどこかの時点で6人が集まるってことだ。世界に起きる、ある事を解決する。ただその一点だけのために。
 (そしてなぜか必ずうちのおでん屋から始まるんだよなぁ・・・)
 迷惑なのでやめてほしいのだが、じゃあおでん屋をやらなければいいという話だ。しかし唯一記憶を共有しているチビ太は、どの世界線へ行ったところで、おでんを作る以外の知識を知らない。この六つ子みたいに、世界ごとにしれっと別の職業や立場につくような真似ができない。
 ガヤガヤと押し合いへし合いしながらおでん種を突く6人を見てチビ太は思った。また始まり、か・・・。何度目だ俺、これ。
 ま、ともかく今度もうまくいくといいなお前ら・・・。
 
 「あーカラ松ぅ!そんなぁつれないこと言ったらぁ、おにーちゃん泣いちゃうぞぉ!」
 不意に聞こえたおそ松の声に、チビ太はビクンっとした。
 「誰がお兄ちゃんだ。お前のような者を兄にした覚えはない。俺の兄は別にいるぞ。」
 「そんなこたぁ分かっとるわぁカラ松ぅ!・・・ん、アレ、俺なんか変なこと言った?」
 「いや、大丈夫だおそ松。多分飲み過ぎだ。チェイサーを飲め。」
 「おそ松先生は、でも外科のみんなのにーさんみたいなもんでやんすよね!」
 「そうだね十四松先生、おそ松先生は外科病棟のみんなのおにーちゃん・・・っていうかむしろお父さん?」
 「誰がお父さんじゃ!おいトド、おめー可愛い顔して随分言うなぁ?俺はおめーと20歳と違わねーよ!」
 「それは分かりましたから、僕の頭を超えてトド松君に掴みかかろうとするのはやめていただけませんか?」
 「あーうるさい、黙っておでんくらい食えないのこの5人は?」
 相変わらずギャイギャイ言っている6人を見ながら、しかしチビ太はふと不安な予感に苛まれていた。今のおそ松の発言は偶然か。でないとしたら、今までになかったことだ、6人が兄弟だった他の世界線がこの世界線では混じってきている・・・?
 それが吉と出るのか凶と出るのか、チビ太にはわからなかった。無数の世界線をそうとは知られないまま、六つ子と超えてきた旅。いつも起こる問題は、今度こそ玉虫色でない解決を見て、俺たちの旅はここで終わるのか・・・?
 何も知らず呑気な6人と、世界を超えて気苦労の絶えない一人の前で、運命の重い歯車が音を立ててまた一つ、回った気がした。//



・・・という訳で、いつもテンプレ注意事項に『別の世界線での出来事としてお含みおきください』と言い訳していましたが、本当に世界線が分かれました。これなんてシュタgwwww




本日のもういっちょ、六つ子の履歴書設定・・・を読む前に。

▼厳重注意▼

約一名、犯  罪  松 がいますwwww
ガチ犯罪です。
あと生い立ちが不幸そうな松もいます。
これまでうpした小話でも微妙に匂わせているので、勘のいい人はお気づきかもしれません。
それぞれの松のファンの方にはほんと申し訳ない。
今後うpする予定の小話の展開上必要な設定なんで、どうかご了承くださいませ。

あと現実の国内外の学会に酷似した名前がバンバン出てくるように思うかもしれませんが、あくまで『別の世界線』の話ですので現実のものとは異なります。
(履歴書内に出てくる地名については小話(4)の二つ目を参照ください)




何でも来いやぁ!と言うつわものは以下どうぞ↓




・六つ子の履歴書


おそ松:

庄乃県聖澤市出身。赤塚総合病院で出生したらしい。県立聖澤高校卒、不二医科大学卒という超地元っ子。不二医科大学消化器外科(旧第一外科)入局。夜間大学院(外科学専攻)を経て、PhD取得後米コ□ンビア大外科レジデント。帰国後間もなく赤塚総合病院外科へ移籍、現外科部長。
所属学会:N本外科学会指導医、消化器内視鏡学会指導医、肝胆膵外科学会高度技能医、ACS 及びAGA board member、他小児外科学会、臨床栄養学会、緩和医療学会、癌治療学会、ヘリコバクター学会など国内外多数。
賞罰:外科学会学術研究賞など。


カラ松:

東京都出身。実家が小児科医。都内の某有名男子進学高校卒。魚子大学医学部卒。魚子大学大学院医学系研究科(小児科学専攻)中途退学。後赤塚総合病院外科入局。
所属学会:N本外科学会専門医、消化器内視鏡専門医、小児外科学会専門医、他N本小児科学会、小児遺伝学会、小児血液がん学会、分子生物学会など。
賞罰:ASHG YIAなど。


チョロ松:

北のほうにある某県出身。そこの私立の進学高校卒。不二医科大学卒。赤塚総合病院初期臨床研修プログラムを終了後、外科へ入局。現外科レジデント。
所属学会:N本外科学会、呼吸器外科学会、呼吸器内視鏡学会、小児外科学会など。専門医ハンターである。
賞罰:特になし。


一松:

出身地不明。某旧帝大理学部化学科卒。同大学院化学専攻(修士)卒。その後ポスドクを経るも、突如退職。履歴書上の空白期間を経て庄乃県立看護学校卒。赤塚総合病院看護部入職、現外科病棟師長。
所属学会:N本看護学会、手術看護学会、がん看護学会、臨床栄養学会、N本化学会(退会済み)
賞罰:N本化学会優秀講演賞、学術振○会特別研究員、麻○及び向精○薬取締法違反(製造)で懲役1年執行猶予3年。


十四松:

出生は他県だが、あちこち家族の転勤による転校を経て高校生頃に庄乃県へ。県立嫌味高校卒、不二医科大学医学部保健学科(理学療法専攻)卒。同大学院リハビリテーション学専攻卒(修士)。赤塚総合病院リハビリテーション科入職。
所属学会:理学療法士協会、スポーツ理学療法学会。
賞罰:警視総監表彰(感謝状)。


トド松:

元は庄乃県出身だが小学生頃家族の都合で転出。家庭環境のゴタゴタで高校はまともに行けなかったらしく、大検受験して庄乃県の隣の県にある大学の薬学部へ入学。この辺の経緯は誰にも話したことがない。卒後祖父母のいる庄乃県へ戻り、赤塚総合病院薬剤部へ入職、現外科病棟薬剤師。
所属学会:N本薬剤師会、病院薬剤師会、日本薬理学会、分子生物学会。チョロ松につぐ資格ハンター。
賞罰:特になし。




・・・という訳で、六つ子が医療従事者だったら妄想の小話シリーズも折り返し地点となって参りました。
もうしばらくお付き合いいただければ幸いです。


今日はこの辺で~

「おそ松さん」の六つ子が医療従事者だったらというn番煎じ妄想-小話(12)

おこんばんわ。「おそ松さん」六つ子が医療従事者だったら妄想のお時間です。(東部標準時にて午前2時です。ラボです。こんなとこでブログ書いてないで早く帰れっていう話ですww)


今回は前回の ・雪の降る大晦日の晩に の後日談2つです。出演は速度松と材木松。後日談のためだけに一記事費やすのもどうかなと思いつつ、分量的に分けました。昔から読むのにクッソ長いって言われ続けてたブログですからね・・・多少想定上の読者に気をつかいました・・・いや近年はほぼいないんだけどね、読者www



ついに目次つくりました→目次

六つ子の基本設定、これまでうpした小話をまとめてあります。
注意事項などは目次をご覧になってから、何でもおk!な方だけ以下妄想小話をお読みください。



ではいってみます↓



・雪の降る大晦日の晩に、後日談1


 ニッコニコしながらおそ松部長が病棟で仕事しているチョロ松へ近づいてきた。
 「よーしチョロ松!おめぇはこの年末年始めっちゃ頑張ったからな、褒美に新年会で飲みに連れてってやんぞー」
 「はぁっ!?僕もう今年の年末年始はヘトヘトですよ!実家にもまだ帰ってないんですよ!?褒美くれるなら休み下さい休み!」
 「そーゆークタクタな時ほど酒の力でリラックスーってなー」
 「その酒のせいで大変な事になってた患者で大変な目にあったというのにどういう精神なんですか!?って、ちょ、うごふっ」
 おそ松先生にガッチリスリーパーホールドを決められたチョロ松は、抵抗も許されず引きずられながら外科病棟を後にして行った。

 翌朝目覚めたチョロ松は、自分が見慣れたおそ松家のリビングソファで寝ているのを発見した。昨夜何がどうなって最終的におそ松家まで来たのか全く記憶にない。近年稀に見る泥酔ぶりだった。どれだけ飲まされたのかも記憶にない。30分ほどの間に焼酎の空き瓶が貸し切ったカラオケルームの床に数本転がり、一緒に来た研修医たちが騒ぎまくったため、調子づいてテーブルダイブしたおそ松部長が数個ワイングラスを割ってたような飲み方をしていた覚えがあるが、断然記憶違いを主張したい。カラ松先生がオザキを歌っていたのは残念ながら記憶違いではないだろうが。
 よく見ればチョロ松の着ている服がいつの間にかおそ松部長のパーカーになっている。自分の服は?と左右を見渡すと、ベランダにぶら下がっている洗濯済みのチェックとカーキ色が見えた。・・・というか、待て。今左右を見渡した時の視界の隅に、点滴棒とラ○テックとルート的な何かが目に入らなかったか。それよりなにより、僕バルーン入ってない!?違和感すげぇ!ってか誰が入れたの!?なんで個人宅にこんな病院の処置室セットみたいなのが用意されてるの!?よく見ればサイドテーブルに割られたラシッ○スアンプと使用済みエタ□ット、バルーン用と思われる10ccのシリンジさえある。
 ただ、これらジャンジャンバリバリ療法のおかげか、二日酔いはなくスッキリした目覚めであることは確かだった。チョロ松が寝ている間に何が行われたのか、知っているであろう肝心な家主おそ松の気配はない。え・・・。ていうか、窓の外、朝とは思えないくらい日が高くない?今何どきでい?
 リビングの時計を見た。13時だった。
 「って、えええええぇっ!?」
 今日はまだウィークデーである。幸いにして外来日ではなかったが、午前中にオペ当番があったはずである。自分が執刀医のものはなかったが、助手が2件ほど。終わっていた点滴を抜針して傍に置いてあったスマホに飛びついた。不思議と病院からの着信は一件もなかった。あれ・・・?
 とりあえずバルーン抜去して着替えて泡を食って病院へ向かったところ、外科病棟の面々からはもう体は大丈夫なの~?とのんきな声をかけられた。外科医局でも同様である。オペ当番を無断ですっ飛ばして怒られる気配は微塵もない。
 後で知ったのだが、前日におそ松部長が手を回してチョロ松のオペ当番は全部抜かれていたのである。急な体調不良、という事になっていた。確かにここ数日疲れ過ぎていて眠いのによく眠れなかった。学生時代以来の十数時間睡眠をかこって、頭がスッキリした事は確かだったが、体調不良の主因たるおそ松部長に素直に感謝を告げる気にはなれないチョロ松だった。//



・・・大晦日の晩にICUでステった患者さんを家族なしで見送ったのも実話なら、翌年新年会で飲み潰れたのも実話です。www
私はジャンジャンバリバリ療法を施された訳ではありませんが、どうやって自宅に帰ったのか記憶になく、翌日昼過ぎに病棟へ行ったら、看護師さんから「あんた誰にお家まで連れて帰ってもらったか知ってる!?上司の××先生よ!後でお礼言っときなさい!」って言われてひえーってなりました。www

医者はほんと半端なくよく飲む(断言





・雪の降る大晦日の晩に、後日談2


 外科病棟にて。おそ松先生とチョロ松先生が去った後、トド松は誰にともなくぼんやりと呟いていた。
 「治療方針決定は血縁者にしかできないって・・・。『血縁』ってそんなに大事な事・・・?」
 「ん?どうしたトド松。そんな浮かない表情をしてると可愛い顔が台無しだぞ。」
 誰にともない呟きを拾ったのは回診を終えてちょうどナースステーションに戻ってきたカラ松先生だった。
 「いえ、何でも・・・」
 ごまかそうとそう言いかけて、カラ松先生がゆっくり隣に腰掛けるのを見た。言いたいことをじっくり聞いてくれようとする姿勢だ。トド松は考えを改めて語ることにした。カラ松先生は何か相談しても、後日相談された内容ごと忘れてくれる。相談中は余分なツッコミもせず黙って聞いてくれるし、相槌を打つときは良いとも悪いとも評価はせず、静かに自分なりの意見を表明するだけだ。一方的に吐き出して、自分の思いを整理し直すにはちょうどいい相手である。
 「・・・チョロ松先生がICUで抱えてる重症患者さん、いるでしょう。血縁者が見つかったそうなんですが、勘当してる父親だから見舞いに来たがらなかったらしいんですよね。で、手紙でDNRの同意書を書くように送ったって聞いたから・・・。血縁だって言うだけで、関わりたくないような親でもそこまでしなくちゃダメなのかなって。確かに日本って民法でもなんでもすっごい血縁重視って感じの社会だから仕方ないのかもだけど・・・ここだけの話、僕ちょっと納得いかなくって。」
 「そうだな・・・。多分そもそも人類は、血縁を大事と思う本能を祖先が有したからこそ現代まで続く生命として繁栄してこれたわけで、その結果我々も今ここにいるというだけなんじゃないか。」
 「もしそうだとしたら、僕らは文明で本能を克服したと思ってて、家族関係も自由意志で決めてると思ってるけど、本当は本能の命じる、生き続けろ、子孫を繁栄させろっていう命令から逃れられてる訳ではないって事だね。」
 「・・・どちらかといえば文明は、本能の克服よりも、人間の持つ本能を、社会にとって良い本能と悪い本能に分けるための尺度として利用されているって感じだろうな。血縁を大事にする事は、大多数の社会で望ましい方の本能に分類されている。社会の発展に今のところ役立っているからだろう。だが自然は、別にその本能を活かせとも使うなとも言ってはいない」
 「・・・カラ松先生はズルいよね。そうやって僕らが言語化できずに心の深いところで悩んでる事を、さらっと簡単な言葉で表現しちゃうんだ・・・ねぇ、もっと悩んでよ。僕らと同じくらい。」
 こんなのは八つ当たりだと思いつつ、トド松は妙な悔しさが拭いきれなくてつい口に出してしまった。
 案の定、カラ松先生は何と答えたものか考えあぐねたように口を閉ざしてしまった。
 「・・・(俺だって俺なりに悩んでいるさ、それでも誰にも悩んでいると言ってもらえないのがある意味一番の悩みなんだ)」
 しばらく沈黙が場を支配した。トド松がパッと切り替えた表情をして、立ち上がった。
 「・・・忙しいのに変なこと聞かせちゃってごめんなさい。聞いてくれてありがとうカラ松先生。僕もう行くね。」
 「ああ、何だか分からないが多少でも役立ったなら何よりだ。トド松の話ならいつでも聞くぞ。」
 「うん、知ってる」
 実は一番気があうようでいて、一番平行線なのが材木松なのかもしれなかった。//




・・・医者業やってると、家族ってなんだろうと思わされることは多いです。私はいっそ血縁なんてもんは、少なくとも法律上では一切関係なくしてしまえば、世の中のかなりの部分の問題はすっきりするんじゃないだろうかと思ってる過激派です。血縁が至上とされる社会でなくなれば、実の親に虐待される子も不幸でなくなります。実の親以外に育てる人を別に求めればいいわけで、実の親に育ててもらえなかったことが不幸だとみなされる世の中じゃないわけだもの。『こういう状態が幸福なのだ』と社会で定めるからこそ、その状態でない人が不幸になるんだと思うと、なんかやりきれないんです。第一血縁重視しなければ、民族問題ですら解決できるんじゃないか。血のつながりを重視するのは、遺伝子を繋ぐことを目的とした生命である以上当然あるべき本能だ、と言われるかもですが、それをそのままにしておくなら、何のための文明なんでしょうね。


・・・熱く語ってしまってすみません。お前も自分の子供を持てば分かる、と言われてしまいそうですが、当面予定はありません。wwwアラサー過ぎてフラフラと好きなだけ留学したりして研究に費やしてるような人生に、子育てしてる時間は入ってくる余地はぶっちゃけないですね・・・。なぜ女性側に生殖コスト全振りな哺乳類に生まれてしまったのであろう。というかなぜ生殖コスト高い方の性で生まれたのであろう。wwwまー、遺伝子を次代に継ぐための、より良い能力を持っている個体の方が優先的に生存選択されてきた結果が今の人類な訳で、そういう機能を先祖代々持ってるからと言って別にそれを自分の代で使わなければならないと決まってるわけでもなんでもないから、好きなことして生きてタヒぬので全然構わないわけなんですけどね。普通の社会では、次世代を代々育んでいく事が発展の大前提になってる事が多いので、子育てしない人は反社会的とさえ見なされる事があるようですが、生命科学を深くやりすぎてると自分の感覚と世間の感覚の乖離が甚だしくなりますwwwwもちろん、科学者の中でも普通に子育てしてる人が多いんですけどね・・・。


さてさて、おそ松さん二次創作以外の余分な事はこの辺にして。本日はこれまで。また次回!


本日は追記なしです。

「おそ松さん」の六つ子が医療従事者だったらというn番煎じ妄想-小話(11)

またまた少し間が空きましたが、「おそ松さん」六つ子が医療従事者だったら妄想、本日も懲りずにうpしていきます。

今回は小話(11)ですが、実はこれですでに書きなぐってある小話の半分道中ぐらいっていう。www
思いついた瞬間にどんだけ一気書きしたんだろうね、自分。www



今回はメインは速度松ですが、末松も登場します。
シリアスではありますが前回のようなダークシリアスではなくて、マジな医療ものドラマみたいな感じです。



**テンプレ注意事項**

・うp主はおそ松さんアニメはほとんど見てない、支部やニコ動での二次創作で見たキャラづけに最も影響されている
・兄松が外科医、弟松はコメディカル。6人には年齢差があり、実の兄弟ではなく、たまたま職場で一緒になった苗字松野たち
・BL要素はない、おそ松兄さんのセクハラ程度の微エロ表現はでるかもしれない
・六つ子の趣味や学生時代等々で捏造多数
・現実の日本の医療現場に酷似している状況、病名、治療法および福祉関係者とか家族とかが出てくるように思うかもしれないが、現実のものとは違います。あくまで別の世界線での出来事としてお含みおきください。
・医療現場用語が説明なしで飛び交ってます。用語解説集は気が向いたら(気が向くとは言っていない


六つ子基本設定編はこちら→おそ松カラ松チョロ松一松十四松トド松



以前うpした小話→小話(1)小話(2)小話(3)小話(4)小話(5)小話(6)小話(7)小話(8)小話(9)小話(10)



何でもおkな方は以下どうぞ↓




・雪の降る大晦日の晩に


 医局にいたチョロ松のPHSが不意に鳴った。着信表示を見ればおそ松部長だ。珍しく空いた時間が出来てのんびりできると思ったそばからこれである。奴は今度は一体何の問題を起こしたんですかねぇ・・・。
 「はい、松野チョロ松ですが。」
 「おっチョロか?今手ぇ空いてる?悪りぃんだけどさー、俺がいつも外来で診てる患者がヤバイ状態で担ぎ込まれてくるらしいんだわ。ICUのベッドはもう確保してあっから、受け持ち頼んでいい?確かチョロが今一番重症少なかったよな?俺実はまだ外来捌いてんだわ。」
 電話口ではおそ松のふざけた調子が全く鳴りを潜めていた。ガチな依頼のようだ。チョロ松も思わずソファで姿勢を正す。
 「大丈夫です。何の疾患の方ですか?」
 「俺が診てんのはアルコール性LCバックのHCC。重度のASOもあって両足大腿部からアンプタしてるから循内と整外も併診してる。まぁタバコに酒と全然節制してなかった人生の成れの果てってやつだな。俺にはすげぇ気の良い患者に見えんだけど、若い頃はさんざ悪さしたらしくて家族とは絶縁してんだと。今日福祉課の民生委員が自宅訪問したらぶっ倒れてて、救急要請してきた。自発はあるものの血圧が微妙らしいや。んでタマがめっちゃ腫れてるって。」
 「タマ?とは?それに、血圧微妙って・・・DNRオーダーはあるんですか?」
 「いや、本人からは取れてねぇ。数週間前は自分で車椅子を運転して俺の外来に来てたぐれぇだかんな。あとHCCはだいぶ前にやったラジオ波でコントロールできてる。」
 「なんか、必ずしも外科で診なくても良いような症例ですね。何でおそ松部長が主治医で外来診てるんです?」
 「うちの消化器内科に肝胆膵の専門がいねぇのはチョロも知ってんだろ。それに管や循環器の連中は基本酒飲みのcirrhosisに厳しいっつうか・・・」
 気持ちはわかる。varixがはねて吐血するたびにGIFで止血をやらされるのだ。消化器内科医としては、次また酒飲んで吐血しても赤塚病院にはかかりませんと一筆書かせたいレベルだろう。心カテで冠動脈が詰まるたびにステントを入れさせられる循環器医も同じだ。彼らは仮に自分が喫煙者だったとしても患者のタバコ吸いに厳しい。
 「DNRオーダーが不明じゃとりあえずフルコースですね。ともかく全ては患者さんの状態を実際診てからですけど。」
 「そうだなぁ。まぁチョロ松、一つ頼まぁ。俺も外来終わったらすぐ上がっから。」
 「分かりました」
 
 程なくして救急車のサイレンが聞こえてきた。救外へ行くと救急医にも連絡が入っているようで、検査もそこそこにICUへ直送された。血圧は100いくかいかないか、怪しげな期外収縮が頻発しており、自発呼吸は何とか持っているがリザーバー10Lいっている。熱発しており、アンプタされた足の付け根が片方赤黒く腫れ上がっている。
 「何だこれ・・・」
 「心不全or腎不全、陰嚢水腫、蜂窩織炎、の順ですかね・・・」
 ICU医が素早く心エコーを行いながら推測する。
 確かに右心不全で陰嚢水腫は教科書的には聞いたことがある。しかし普通は下腿浮腫が先に来る。この患者の場合、水分が鬱滞すべき下腿がなかったのでダイレクトに陰嚢に来たのか。座位になった時、我々足のある人間とは違って彼の場合は陰嚢を床に引きずる状態になりやすかったのかもしれない。直感的には説明がつくように思えるが、あまり見たことのない症例であることは確かだ。
 「チョロ松先生、DNRオーダーは?」
 「今のところ不明です。本人からはリビングウィルなし。家族も疎遠らしくて。」
 「フルコースならとりあえずCHDFは繋がないと。水引かないと循環ヤバイですよ。」
 「h○mpじゃ引ききれませんか。」
 「チョロ松先生、バルーン見て。肝予備能もない人なんでしょ。」
 なるほどちらりとも尿が出ていなかった。おそ松部長のやった外来検査ではCrは1.1だったが、今回のエピソードで3ぐらいいっているかもしれない。肝臓と腎臓は血流動態での繋がりがあって、肝臓が悪くなると腎が共倒れするのである。腎不全で血流が悪くなれば心不全に繋がる。元々ASOで足を切る羽目になっているくらいなので、冠動脈もロクなものではないだろう。肝での門脈うっ滞も心不全に拍車をかける。心不全を起こすと次に悪化するのは肺だ。肝予備能がギリギリでも、他に何もなければ一応の生活は送れるが、感染などで体調が崩れると一気にバタバタと複数の臓器がドミノ式に悪くなっていく。多臓器不全という何のひねりもない病態名で呼ばれる奴だ。
 テキパキとICU医がトリプルルーメンを入れていく。両足大腿部からアンプタした後でも鼠径部分は残っているので、入れづらいながらもICU医が頑張ってくれた。拍動が触れず、エコーを駆使しまくりではあったが。
 「蜂窩織炎がカテ側まで来ないと良いんですけどね・・・」
 チョロ松は救急車についてきた民生委員から投薬内容などを聞き、輸液やカテコラミン、抗生剤などを指示していく。しかしおそ松部長が外来でとった血検を見ると本当に肝機能がギリギリそうである。Plt5万。後でICGで肝機能評価しないと。
 カテを繋いでCHDF準備を指示したICU医がチョロ松に再度話しかけてきた。
 「ここ数日で感染コントロールがつかなければ負け戦は必死ですよ。バックがアルコール性のLCでしょう。フルコースと言っても、PCPSまでやるんですか?」
 「どうなんでしょう・・・。正直言って適応かどうかかなり疑問に思うとこですが・・・普通なら家族に話をして意向を伺うところなんですけど・・・」
 「家族と疎遠、と言うことは全くの天涯孤独の人ではないって事ですよね。疎遠になれる家族はどっかにいるって訳だから。できるならSWにでも家族探して来てもらったほうが良いんじゃないですかね?」
 家族については、既に救急車に同乗してきた民生委員が他自治体まで手を広げて探してみると約してくれていた。正直障害年金課の民生委員でも手に余るケースだろう。
 外来を終えたおそ松部長もICUに上がってきて、治療方針は現行で様子を見ると固まった。医学的な面ではあまり迷うところはなかった。感染コントロールは抗生剤で。適応があればデブリ。最悪心肺機能はPCPSで、腎機能はCHDFで代替できる。現代医学で薬や機械で代替不能なのは肝心な肝機能だけだが、こればかりは患者の持つ運と残された予備能力を信じるしかない。

 しかしながら患者家族探しは難航した。その間、皮膚科や泌尿器科にデブリの是非をコンサルトして、局麻下で感染巣を解放したり、感染巣から検出された菌がMRSAで一悶着あったり、ICUカンファに日夜出たりする余計な業務が日常の診療とオペ業務に重なって、さすがのチョロ松もヘトヘトになった。おそ松部長の医局居住日数の記録も順調に伸びていく。患者の容体はPCPSを除く様々なインターベンションにも関わらずゆるく下降気味だった。局部の感染コントロールはついてきたものの、肝心な生命維持臓器の機能が今以上に戻ってこない。意識も一度も戻らない。
 ようやく転機が訪れたのは、たまたま別の患者のリハでICUにきた十四松が、「あれ?この人見たことあるー」と言った事だった。
 「えっ、十四松君、この人知ってるの!?」
 「あっチョロ松先生だー。先生の患者っすか?たぶんね、足が無いけど、この人すげぇ昔に大学野球で結構活躍してた人っすよ。名前に覚えがあるっす。顔にも面影が。プロには転向しなかったから、一般には無名かもしれないっすけどアマチュア界じゃ有名っす。」
 この情報を民生委員に伝えたところ、患者の故郷が判明し、親戚筋のつてをたどって、最終的に実の娘という人に連絡が取れた。しかしながら、昔よほどの事があったのか、仮に亡くなっても遺体を引き取る気も無いという。DNRオーダーだけは血縁者にしかできないという旨を民生委員経由で伝えてもらったが、赤塚病院にまで行くのも遠くて嫌だとのこと。おそ松部長の「最低でも手紙で同意書を郵送して一筆書いて送り返してもらえ」という鶴の一声で、チョロ松が同意書を手紙にして送る事になった。
一般的な手術同意書のようにテンプレのない手紙を苦労して認め終わったチョロ松が、外科病棟で頬杖をつきながらごちる。
 「返信、もらえますかねぇ・・・。」
 「いっくら昔散々悪い事して家族に迷惑かけたっつったって、血の繋がった娘だろ?手紙を送り返すくらい、大した手間じゃねーよ。返信用封筒まで切手付きで付けてやったんだ。そんくらいやったってあちらさんに損はねぇはずだ。」
 「それはどうかな・・・。」
 「うわっトド松君!いつからそこに?」
 「いや、ちょうど新入院の患者さんの手持ちの内服確認に来たんですよ。それにしても、そこまで関わり合いになるのを嫌がってる娘さんに、手紙にしても治療方針決定の同意を無理強いするのってどうなのかな・・・。そっとしておいてあげた方が良い気もするけど・・・」
 「うーんそうしてあげたいのも山々なんだけど・・・。でも僕らはいくら患者さんの事を親身になって心配しても、やっぱり所詮赤の他人なんだよね。法的には、何の決定権もないんだよ。」
 「いっくら昔なんかあったって言ってもなぁ、真の親の危篤ってのは知ったら知ったなりに何か思うところってのは出てくるもんじゃね?顔だけはやっぱタヒぬ前にもっかい見とこうかなって思ったりさ。知ってたのにタヒに目に会えなかったらそれはそれで後悔すんじゃねーの。案外、明日あたり来たりしてな。その娘。」
 「・・・」

 果たして数日後、娘は実際赤塚病院にやって来た。ICUで無言で父親に面会し、おそ松とチョロ松のムンテラを聞いて、現状以上の侵襲的な延命はしない旨に同意して帰って行った。その後娘に面会した民生委員によれば、やはり遺体は引き取りたくないとの事であった。病院には来たが、葬式を出すまでの気にはならなかったのだろう。物言わぬ変わり果てた父の姿を見ても、娘の心は動かされなかったようだ。
 彼女の本当の内心は彼女にしか分からない。過去にマジで何があったのか、と思うが、元気だった時に患者がおそ松部長に語ったのは、『散々迷惑かけたから家族に勘当されるのは仕方ないんだ』という、苦笑いを伴う抽象的な述懐だけだったのだ。
 娘が面会に来た数日後、患者はそれを待っていたかのように息を引き取った。大晦日の晩だった。雪の降りしきる中、当直の民生委員と遺体を乗せて病院の裏玄関から去っていく救急車両を、外科病棟の面々だけが見送った。//




ふと気が付くと、せっかく外科病棟の設定にしたのに、かっこいい手術の話じゃなくてズルズルした内科症例の話ばっかりになってしまっている!
・・・とは言え、書いてる人が内科だからしょーがないって言えばしょーがないんですが。www
経験してないもんは書けん。

実はこの話には後日談が2つ分あるんですが、長くなるんで次回うpへ持ち越します。今日はこのへんで。ではでは。



本日の追記は、六つ子の名刺(英語表記版)。


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